陽の水 壬 · 陰の水 癸

冬 · 北

水曰潤下

五行の水とは:水の性質と水の人の性格

壬と癸、冬と北。水が命式で何を表すか、水の人の性格、そして水があふれる・足りない命式の読み方をまとめました。

2026年10月17日更新

水は「知恵と流れ」をつかさどる五行です。四柱推命では十干の壬・癸と十二支の亥・子に現れ、冬に最も強まり、方位は北、色は黒と紺です。水の人は鋭く、柔軟で、機転がききます。水が多すぎると流されやすく、少なすぎると命式が乾きます。命式に水が足りないときは、補う前に喜神・用神を確認しましょう。

水

水の基本データ

十二支
子(ねずみ)亥(いのしし)
季節
冬
方位
北
色
黒・紺
河図の数
1 · 6
臓腑
腎 · 膀胱
五官
耳
五志
恐(驚)
五味
鹹
五常
智

あなたの命式に水はどれくらい?水が多い・足りないを診断

生年月日を入れると、命式に占める水の割合と、水が「ない・弱い・ほどよい・多い」のどれにあたるかがわかります。さらに、多くのサイトが触れない肝心な点、つまりあなたの命式が水を本当に必要としているかも判定します。

水を調べる

生年月日だけで診断できます。データは保存しません。

水が「ない・弱い・多い」の判定方法

  1. 1

    字数:表に出ている8字(天干4つ・地支4つ)のうち、水がいくつあるか。わかりやすい反面、地支に隠れた五行を見落とします。

  2. 2

    割合:天干と蔵干を、本気1・中気0.5・余気0.3で重み付けして数えます。このページの%はこの方法で、一般に「水がない」と言うときの基準です。

  3. 3

    強弱:同じ割合を、月支(季節)を2倍にして数え直します。水が旺じているか休んでいるかは季節で決まるからです。喜用神診断はこの値を使います。

このページの区分

  • 水なし0%
  • 水が弱い< 12%
  • 水はほどよい12–30%
  • 水が多い> 30%

割合が低いのは命式の特徴であって、吉凶の判定ではありません。水を補うかどうかは喜神・用神で決まります: 喜用神診断

五行の水とは:水の性質と象意

古典は五行を「動き方」で定義します。水の2つの十干、旺じる季節、水を蔵する地支も、すべてこの動きから導かれます。

古典の定義

水曰潤下,潤下作鹹

水は潤し、下へ流れる。潤下の味は鹹い(しおからい)。水はいつも低いところへ向かい、触れるものを潤します。水の謙虚さ、柔軟さ、深さはここから来ています。

《尚書·洪範》

水は川であり海であり雨です。どんな障害も回り込み、どんな器にも形を合わせ、時をかければ石をもうがちます。知性、コミュニケーション、旅、そして隠れたものを表し、五常は「智」です。冬の静けさも水のもので、力を水面下に蓄えています。

一年の中の水

水は秋に金に生じられて生まれ、冬の亥月・子月(11月上旬〜1月上旬)に最も旺じます。春は木に力を与え、夏は火を剋すのに苦労し、土用の月には土にせき止められて最も弱くなります。冬の水は深く冷たく温かさが必要で、夏の水は少なく貴重です。

月ごとの強弱

陽の水と陰の水:2つの十干

壬

陽の水

壬(みずのえ)

壬(みずのえ)は大河や海です。広く力強く、絶えず動いています。ビジョン、活力、大局を見る視点をもたらします。すべてを押し流していくので、方向を与える岸辺(土)がないとあふれてしまいます。

壬水通河,能泄金気。剛中之徳,周流不滞。
《滴天髄》
壬(みずのえ)の解説を読む
癸

陰の水

癸(みずのと)

癸(みずのと)は雨、露、霧、泉です。静かで、どこにでも行き渡り、万物を潤します。直感、想像力、やさしい粘り強さを表します。力は十干で最も穏やかですが、すみずみまで染み込みます。流れ続けるには、水源となる金が必要です。

癸水至弱,達於天津。得龍而運,功化斯神。
《滴天髄》
癸(みずのと)の解説を読む

命式のどこに水があるか

水は天干にも地支にも現れ、地支の中に隠れていることもあります。蔵干の水も数に入るため、表に水の字がない命式でも、本当に水がゼロとは限りません。

  • 子癸
  • 丑癸
  • 寅·
  • 卯·
  • 辰癸
  • 巳·
  • 午·
  • 未·
  • 申壬
  • 酉·
  • 戌·
  • 亥壬
  • 水の地支
  • 水が本気
  • 水が中気・余気

水の人の性格:長所・短所・恋愛・仕事

日干が壬か癸、または命式に水がよく巡っている人は、頭の回転が速く、鋭く、柔軟な傾向があります。状況をすばやく読み、障害を回り込む道を見つけます。

長所

  • 頭がよく、のみ込みが早い
  • 変化に強く、順応性が高い
  • 鋭く、人や空気を読む
  • 機転がきき、人当たりがよく、説得上手
  • 好奇心旺盛で、思索・旅・深いものを好む

短所・注意点

  • 決断を先延ばしにしがち
  • 気分や予定が変わりやすい
  • 秘密主義でつかみどころがない
  • 穏やかな顔の裏で心配や不安を抱える
  • 枠組みがないと流されやすい

恋愛

水の愛は深く細やかで、相手が口にする前に必要なものを察します。相手に合わせるのが上手ですが、合わせすぎて自分を見失ったり、本音を隠したりすることもあります。水には信頼と深さ、そして安定した岸辺になってくれる相手が必要です。

仕事

水は、アイデア、情報、モノが動く場所で力を発揮します。貿易、物流、旅行、研究、広報・メディア、コンサルティング、営業などです。考える余地も動く余地もない、決まりきった単調な仕事は苦手です。

「水の人」は日干で決まる?生まれ年で決まる?

「水の人」は、日干が壬か癸であること(四柱推命の意味で、ここでの性格はこちら)を指す場合と、生まれ年の納音が水であることを指す場合があります。1996年の丙子は澗下水、2026年の丙午は天河水で、どちらも納音は水ですが、天干の丙は火です。性格や水が足りないときの補い方は、日干と命式全体で見てください。

納音が水の生まれ年

  • 澗下水谷川の水丙子 · 丁丑1936–37、1996–97
  • 泉中水湧き出る泉の水甲申 · 乙酉1944–45、2004–05
  • 長流水長く流れる川の水壬辰 · 癸巳1952–53、2012–13
  • 天河水天の川の水丙午 · 丁未1966–67、2026–27
  • 大渓水大きな渓流の水甲寅 · 乙卯1974–75、2034–35
  • 大海水大海の水壬戌 · 癸亥1982–83、2042–43

四柱推命では立春(2月4日ごろ)で年が切り替わるため、1月から2月初めに生まれた人は前年の干支になります。

水が多い・弱い・足りない命式

3つのケースは読み方が違います。1つ選ぶと、命式での特徴、古典の言葉、整え方が表示されます。

水が多すぎる

命式での特徴

  • 冬(亥月・子月)生まれで、水が旺じている
  • 天干に壬・癸が複数ある、または亥と子がそろう
  • 地支に水局がそろう:申子辰、亥子丑
  • 堤防となる土が少なく、命式が冷えて湿っている
強水得木,方緩其勢

強い水は木を得て、はじめてその勢いが緩む。

伝統の口訣

意味すること

水が多すぎる命式は洪水です。エネルギーはあふれても方向がありません。流されやすい、考えすぎる、予定がころころ変わる、冷たく閉じこもる、といった形で現れます。冬生まれで水の重い命式は、それ自体に温めが必要です。これが古典の調候です。命式全体が水に支配されれば、水の専旺格「潤下格」となることがあります。

整え方

木で水を役立つ方向へ流します。アイデアを行動に移す、創作する、教える。土で堤防を築きます。約束、規則正しい生活、決まった拠点。火は冷えた命式を温め、水に管理する財を与えます。金を足すと洪水が大きくなるだけなので避けましょう。

水が足りないときの補い方と、多すぎるときの整え方

水を日常に取り入れる伝統的な対応です。まず下の注意書きをお読みください。

水が足りなくても、補う必要があるとは限りません

命式に何が必要かは五行の数ではなく、喜神・用神で決まります。水のない命式でもバランスがよいことはありますし、水を嫌う命式に水を足せばかえって崩れます。まず喜神・用神を確認し、水が含まれる場合だけ下の方法を使ってください。

喜神・用神を調べる

水のラッキーカラー

黒・紺

黒、紺、濃い青、深いブルーグレー。濃い色の服、紺のバッグ、ブルーブラックのインクもそのひとつです。

吉方位

北が水の方位です。北向きの机、北側の部屋、北への旅行が伝統的な方法です。

水の数

1と6が水の数です(天一生水、地六成之)。水は河図の数で最初の五行です。

素材・アイテム

ガラス、鏡、透明な素材、噴水や水槽。波形、流線形、不定形。

生活習慣

よく眠る(亥子の刻、午後9時〜午前1時が水の時間)、こまめに水を飲む、泳ぐ、読書や調べものをする、日記をつける、ひとりの静かな時間をもつ、旅をする。

食べもの(五味)

五味:鹹

鹹味(塩味)と黒い食べものを適量に:わかめ・昆布などの海藻、魚介、黒豆、黒ごま、くるみ。

季節と年

冬、とくに亥月・子月(11月7日ごろ〜1月5日ごろ)と、天干が壬・癸の年。2032年の壬子、2033年の癸丑がそうです。

これからの水の年(天干が水)

  • 2032壬子
  • 2033癸丑
  • 2042壬戌
  • 2043癸亥
大運が始まる年齢を調べる

水が多すぎるときの整え方

木で水を流します。アイデアを企画にする、創作する、教える、体を動かす。土で堤防を築きます。約束、規則正しい生活、決まった拠点。火で温めます。日光、人との交流、赤のアクセント。黒や紺を控え、夜更かしや、行動に移さない調べものばかりを避けましょう。

身強・身弱診断

水と体:伝統的な対応

伝統的な中医学では、水は腎・膀胱、耳、骨、寒、そして「恐」の感情に対応します。古典は水の極端な偏りを、冷えと休息に気をつける合図と読みました。実際には、体を冷やさない、よく眠る、不安を隠さず向き合う、という心がけとして受け取るのがよいでしょう。

伝統的な象徴であり、医学的な助言ではありません。命式で病気は診断できません。体調が気になるときは医師に相談してください。

水が強い月・弱い月:十二か月の旺相休囚死

生まれ月は季節そのもので、季節が五行の強さを決めます。旺・相・休・囚・死の5段階です。リングの月を選んでみてください。

寅休卯休辰死巳囚午囚未死申相酉相戌死亥旺子旺丑死亥旺11月7日

亥月

立冬 · 11月7日ごろから

旺水 · 旺

水自身の季節で、水の力がもっとも充実します。この月生まれの水の日干は、支えに困ることがほとんどありません。

  • 旺亥子
  • 相申酉
  • 休寅卯
  • 囚巳午
  • 死辰未戌丑

水は亥月・子月(冬)に旺、申月・酉月(秋)に相、寅月・卯月(春)に休、巳月・午月(夏)に囚、辰・未・戌・丑の土用の月に死となります。そのため夏や土用の月に生まれた水の日干はたいてい金と水を喜び、冬生まれはたいてい火と土を喜びます。

水とほかの四行の相性:相生と相剋

五行はそれぞれ、1つに生じられ、1つを生じ、1つを剋し、1つに剋されます。どの関係も適度なら助けになり、過ぎれば害になることを、古い口訣がはっきり語っています。

火土金水木

関係にカーソルを合わせるかタップすると、五行図に流れが表示されます。

  • 水頼金生,金多水濁

    水は金に頼って生きるが、金が多すぎれば水は濁る。

    金は水を生じます。冷たい金属に露がつき、岩から泉が湧くように、ほどよい金は水に澄んだ源、つまり支え、訓練、原則を与えます。金が多すぎると水は濁り、助けが硬直に変わります。

    日干が水の人にとって、金は印星:偏印印綬金
  • 水能生木,木多水縮

    水は木を生じるが、木が多すぎれば水は細る。

    水は木を生じます。雨が森を育てるように、水は木を通してアイデアを成長に変えます。教えること、企画、才能です。木が多すぎると水は吸い上げられ、与えすぎて自分が干上がってしまいます。

    日干が水の人にとって、木は食傷:食神傷官木
  • 水能剋火,火炎水灼

    水は火を剋すが、火が燃え盛れば水は干上がる。

    水は火を剋します。冷まし、調整し、物事をほどよく保つことが水の管理し稼ぐ方法です。ただし燃え盛る火は、わずかな水を蒸発させてしまいます。

    日干が水の人にとって、火は財星:偏財正財火
  • 土能剋水,水多土流

    土は水を剋すが、水が多すぎれば土は流される。

    土は水を剋します。ほどよい土は水に岸辺と方向を与えます。ルール、仕組み、キャリアの道筋です。弱い水は厚い土にふさがれ、大水はかえって土を押し流すことがあります。

    日干が水の人にとって、土は官星:偏官正官土

水の五行対応表:色・臓器・方位など

五行の対応表です。水の列を強調しています。五行をタップすると各ページに移動します。

五行対応表
項目木火土金水
十干甲 乙丙 丁戊 己庚 辛壬 癸
十二支寅 卯巳 午丑 辰 未 戌申 酉子 亥
季節春夏土用(季節の変わり目)秋冬
方位東南中央西北
色青・緑赤・紫黄・茶白・金黒・紺
気候風熱湿燥寒
五臓肝心脾肺腎
六腑胆小腸胃大腸膀胱
五官目舌口鼻耳
五体筋血脈肌肉皮毛骨
五志怒喜思悲(憂)恐(驚)
五味酸苦甘辛鹹
五常仁礼信義智
五音角徴宮商羽
五星木星(歳星)火星(熒惑)土星(鎮星)金星(太白)水星(辰星)
四神青龍朱雀黄龍白虎玄武
形縦長・長方形三角・尖り正方形・平ら円形・アーチ波形・不定形
河図の数3、82、75、104、91、6

水に向く仕事・業種

流れるものはすべて水に属します。モノ、情報、旅、アイデアです。水が喜神のときにこうした分野が最も合います。水が忌神なら、どんな仕事でも枠組み(土)と具体的な成果(木)を加えましょう。

  • 貿易・輸出入
  • 物流・海運・旅行
  • 研究・戦略・コンサルティング
  • 広報・翻訳・報道
  • 営業・交渉
  • 飲料・水産・水道
  • 心理・カウンセリング
  • インターネット・情報サービス

水についてよくある質問

参考文献

このページが拠る古典です。「伝統の口訣」とした文句は多くの命書に伝わり、作者は特定できません。

  1. 01《尚書·洪範》五行とその性質を最初に挙げた古典。水は潤下、火は炎上、木は曲直と述べます。
  2. 02《黄帝内経·素問》五臓・五官・五志・五味の対応のもとになった医学の古典です。
  3. 03《五行大義》隋の蕭吉による書。五行の配当・数・四時の旺衰を体系的にまとめています。
  4. 04《滴天髄》四柱推命の韻文の古典。このページで引用する十干の詩句の出典です。
  5. 05《窮通宝鑑》月ごとに各日干が必要とするものを論じた書で、調候用神の根拠です。
  6. 06《神峰通考》明の張楠の書。命式の欠けを「病と薬」で捉える見方の出典です。

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